【身体測定】健診結果からわかること

身体測定検査では身長、体重、腹囲を測定し体型が適正か判断します。
肥満の判定にはBMIと腹囲が指標として用いられます。

BMI=体重(kg)÷身長(m)×身長(m)

18.5未満・・・・・・痩せ
18.5~25未満・・・・適正
25以上・・・・・・・肥満

内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満

肥満には2タイプあり、危険な肥満と比較的危険性の少ない肥満が存在します。

内臓脂肪型肥満

肥満タイプのひとつで内臓周りに脂肪が蓄積している状態をいいます。比較的男性に多くウエスト周りが大きくなります。
BMIが25未満で肥満ではないが、内臓脂肪が蓄積している場合は「隠れ肥満」と呼ばれます。
内臓脂肪が蓄積されすぎると動脈硬化や脳卒中の合併症を引き起こすため「悪性肥満」に分類されます。

皮下脂肪型肥満

肥満タイプのひとつで皮下に脂肪が蓄積している状態です。比較的女性に多くお尻や太ももなど下半身の肉付きがよくなります。
適度な皮下脂肪は内臓を守ったりエネルギーを作り出すために必要です。
皮下脂肪は一度つくとなかなか減らせないのですが、合併症を併発する可能性が低いので「良性肥満」に分類されます。

メタボリックシンドロームとは

腹囲(おへその高さ)で測定し男性が85cm以上、女性が90cm以上で内臓脂肪面積が100㎤にほぼ相当するため内臓脂肪型肥満と判定されます。
腹囲に加えて血圧、血糖、脂質の3つのうち2つ以上が基準値を外れると
「メタボリックシンドローム」と診断されます。

メタボリックシンドロームが引き起こす怖い病気

日本人の死因は悪性腫瘍(がん)、心疾患、脳血管疾患が上位を占めています。
中でも心疾患、脳血管疾患は血管が硬くなり詰まる「動脈硬化」が主な要因です。
動脈硬化を引き起こす要因(危険因子)には高血圧、糖尿病、脂質異常、肥満などがあります。
これらの危険因子はそれぞれ単独でも動脈硬化を進行させますが重なるとさらにリスクが高まるため注意が必要です。
つまりメタボリックシンドロームは動脈硬化を引き起こす危険因子が重なっている非常に危険な状態です。

また内臓脂肪が蓄積されると脂肪細胞からアディポサイトカインという物質が分泌されます。悪玉のアディポサイトカインは血栓を作りやすくし、インスリンの作用を低下させ、血圧をあげる作用があります。メタボリックシンドロームの状態を放置しているとさらに動脈硬化を進行させてしまい、心疾患や脳血管疾患のリスクを高めます。

健康診断で肥満と診断された方はたかが肥満とそのまま放置していると取り返しのつかない病気を引き起こす可能性があります。まずは健康的な生活を送り適正な体型を維持することから始めましょう。