血圧について
血圧とは心臓が血液を送り出した際に、血管の壁にかかる圧力を「血圧」といいます。
血圧検査では「収縮期血圧」「拡張期血圧」この2種類の血圧を測定します。
収縮期血圧:心臓が収縮して血液を送り出すときに血管にかかる圧力
拡張期血圧:心臓が拡張して血液をため込むときに血管にかかる圧力
高血圧について
高血圧は安静時に測定する血圧が慢性的に正常値よりも高い状態をいいます。
測定時たまたま高いだけでは高血圧とはいいません。
収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上で高血圧と診断されます。
現在、日本の高血圧有病者は4,300万人と言われており日本人の3人に1人が高血圧ということになります。
高血圧の原因、なりやすい人
高血圧には2つのタイプがあります。
①血圧をあげる原因が特定できない本態性高血圧:高血圧の人の大半がこのタイプに当てはまります。
②血圧を高くする明らかな原因がある二次性高血圧:おもに腎臓の病気や内分泌の病気の人に当てはまります。多くの場合、その原因の病気を治療すると血圧は下がります。
では、高血圧の人の大半が該当する「本態性高血圧」の要因はなんでしょうか。
本能性高血圧は遺伝的に高血圧になりやすい体質や、塩分の過剰摂取、過度の飲酒、肥満、運動不足、ストレス等の生活習慣や加齢によって発症するといわれています。
そのため、生活習慣の改善による血圧のコントロールが重要となります。
高血圧は放っておくと怖い病気を引き起こします
なぜ高血圧を放っておいてはいけないのか、それは血管が重大なダメージを受けるからです。
血管内の圧力が高い状態が続くと血管は劣化し弾力性がなくなり硬く、もろくなります。
この血管のダメージを動脈硬化といいます。
さらに血圧の高い状態が続くと動脈硬化が進行し、血管が詰まりやすくなったり(脳梗塞)、破れてしまいます(脳出血)。
血管が傷つくことで酸素を十分に運べなくなり狭心症や心筋梗塞なども引き起こします。
循環器疾患による死亡の最大の要因は高血圧です。
正常血圧である120/80mmHgを超えて血圧が高くなるほど脳血管疾患、慢性腎臓病などの罹患および死亡リスクは高まります。
血管疾患の予防には血圧のコントロールが重要となります。
血圧コントロールのポイント
減塩
毎日の食事で少しずつ出来る範囲で減塩を心がけましょう。
厚生労働省の調べによると健康な人(20歳以上)の目標とすべき1日の食塩摂取量は男性7.5g未満、女性6.5g未満とされていますが、男女とも平均2g程度上回っているという結果が出ています。
減塩と聞くと味が薄くてまずいと思われがちですが酢や柑橘系の酸味、香辛料などを上手に取り入れると美味しく減塩が可能です。
ラーメンやうどんのスープにはたくさんの塩分が含まれています。スープはなるべく残しましょう。また漬物や塩魚、加工食品にも塩分がたくさん含まれています。食べすぎは禁物です。
運動
運動の頻度は定期的に(できれば毎日)実施し、運動量は30分以上、ややきつめの有酸素運動がおすすめです。(ウォーキング/軽いジョギング/水中運動/自転車)
ですが日頃から運動習慣がない、なかなか時間がとれないという方は掃除や洗車、子供と遊ぶ、自転車で買い物に行くなど日常生活の中で運動量を増やすことから始めましょう。
肥満解消
肥満の方は正常体重の方と比べて高血圧になりやすいといわれています。
糖分の多いお菓子や脂肪分の多い揚げ物などの食べすぎには注意しましょう。
また内臓脂肪が増えると脂肪組織から血圧を上げる悪玉物質が分泌されるためまずは正常体重を目指しましょう。
高血圧は自覚症状がありませんが確実に血管にダメージを与えます。
健診で血圧が高いと言われた方はそのまま放置せずにまずは生活習慣の改善に取り組みましょう。
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